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頑張る社長と真剣な経営者のその違い

カテゴリー:商売のヒント|2009.5.3

「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるでもない。唯一生き残るのは、変化できる者である」。自然科学者ダーウィンが『種の起源』で書いたとされるこの一節は、経営者セミナーなどでよく引用される“ビジネス指南”です。

生き残るためには変化が必要であり、ビジネスにおいても同様である!と。言葉面だけを追えば、非常に的を射た商売のヒントに思えますが、一体何をどう変化させれば良いのか。そこを理解できないのが「頑張る社長」です。

頑張る社長の口癖は、もちろん「頑張ります」。

会社が順調でも瀬戸際でも、とにかく頑張ります。ところが残念なことに、頑張れば何とかなるという発想は、個人の領域でのお話です。商売は自己満足では成立しません。

商売を取り巻く環境が激変しているにもかかわらず今までのやり方に固執したり、極端なコスト削減を社員に強いて、「会社のために一緒に頑張ろう」と社員のモチベーションの向上に躍起になりながら、最後は「私は社長として頑張っている」と豪語します。頑張る社長にとっての「変化」とは、“自分以外”が変わることなのでしょう。

しかしそろそろ気づくときです。もしコスト削減を実施するなら、「極端」ではなく「徹底」する。無駄を的確に見極め、必要なものだけで最大限の効果を追求することを「変化」と言います。生き残るために変化が必要なら、まず変えるべきは社長の意識なのです。

経済より経営ありき。意思決定こそ社長の最大の責務だと理解すれば、頑張るのではなく真剣にならざるを得ません。真剣とは本物の刀も意味します。本物の刀を喉元に突きつけられて決断を迫られているまさにその時、「頑張れば何とかなる」と思うでしょうか。

白亜紀まで繁栄していた恐竜をはじめとする生物種の70%が、約6500万年前に突如として絶滅しました。地球に衝突した巨大隕石による劇的な気候変動が原因だとする仮説の真偽はともかく、そこで生き残った生物種だけが進化を遂げました。

だからまずは絶対に生き残ることです。「頑張る社長」から「真剣な経営者」へと意識変化を今すぐに遂げて下さい。突如として絶滅する危機に遭わないためにも。

1+1=3にするタイミング

カテゴリー:商売のヒント|2009.3.17

「タイミング」は、とても便利な言葉です。

成功してもタイミング、失敗してもタイミング。そこにはまるで自分の意志など働いていないかのように何でも「タイミング」で片づける人がいますが、タイミングとは物事を行うのに最も良い瞬間のこと。

その瞬間を選んでいるのは自分自身です。

誕生日当日に「おめでとう」を言えば、「覚えていてくれたのね」とそれだけで奥さんは喜びます。けれど誕生日が過ぎてからの「おめでとう」は、やぶ蛇です。プレゼントでも用意しないと格好がつきません。

商売にも同じような場面があるでしょう。

仕事でお世話になった人とこの先も良い関係を築いていきたいと考える経営者は、お世話になった翌日にまずお礼の電話をします。あとから礼状やお礼の品を贈るとしても、この場合の誠意として「最も良い瞬間」は翌日の午前中です。相手の印象に強く残っているうちに、簡単なひと言でも電話を入れておくことです。

こんな気遣いのある人は自然と信頼されます。

つまり、タイミングというニワトリが金の卵を産むのです。「最も良い瞬間」を逃した場合、その日のうちにお礼を言えば、ニワトリは銀の卵を産むでしょう。ただし、金の卵が孵化するより時間や労力、お金が余計にかかるのは仕方ありません。

どんな理由であれ、そのタイミングを逃したのは自分です。銀の卵に甘んじましょう。

それ以降なら明日でも明後日でもニワトリはただの卵しか産みません。いくら感謝の気持ちがあっても、判断するのは相手です。すでに「最も良い瞬間」が過ぎている以上、急いで丁寧な礼状を添えたお礼の品を贈っても、通り一遍のお礼程度に思われてしまったら、ただの卵が金の卵に化けることは望めません。

人の気持ちとはそういうものなのです。

詰めの甘い人間ほどタイミングの良し悪しを言い訳にします。でも、タイミングは“活かす”ものです。小さなタイミングを活かしてニワトリに金の卵を産んでもらう。それが「1+1=3」であり、今の景気を乗り越える1つのヒントとなるはずです。

税理士 八王子市

商談の達人は、各駅停車に乗る

カテゴリー:商売のヒント|2009.2.20

挿絵

電車で旅をするとき、鉄道マニアならともかく、おおむね新幹線や特急を利用するでしょう。限られた時間を有効利用しようと思えば、移動時間は短いに越したことはありません。時間に限りがある点では商談も同じです。しかし、商談の達人は新幹線には乗りません。あえて各駅停車で目的地を目指します。各駅停車とはつまり、相手の反応を見ながら商談を進めることです。そんなの当たり前だと思いますよね。
けれど思い出してみてください。過去に失敗した商談の敗因は、だいたい「しゃべりすぎ」だったはずです。商品やサービスの説明に一生懸命になるあまり、自分だけが一方的にしゃべってしまった。良かれと思って資料を山ほど用意したせいで説明に終始してしまった。相手の反応が悪いので、つい余計な話を持ち出してしまった…。心当たりはないでしょうか。無駄に口数が多くなれば墓穴を掘ります。うっかり暴走特急に乗って墓穴を掘ってしまい、契約という目的地に着く前に自滅した苦い経験はありませんでしたか?商談には流れのメリハリが必要です。メリハリがないと相手は“喰いつきポイント”をつかめず、ただ話を聞くだけになってしまうのです。相手に口を開いてもらわなければ要望が分かりません。要望が分からなければ契約を成立させることはできません。だから商談の達人は各駅停車に乗って、相手が喰いつきやすいポイントを増やすのです。相手の反応が思わしくなければ、「いかがでしょう。ご興味を持っていただけそうですか?」と振ってみる。さらにもっと核心に触れたければ、漠然とした問いかけではなく「AとBならどちらに興味をお持ちですか?」とあえて相手に選ばせる。自分がしゃべりすぎたと思えば、少し沈黙すればいいのです。こちらが黙ると相手はなぜか居心地が悪くなって、仕方なく口を開くものです。長年連れ添って会話のなくなった夫婦でも、各駅停車に揺られていたら多少は話をすると思います。車窓を流れる景色に共通の話題が見つかるかもしれません。商談相手を会話のなくなった伴侶だと思えば、相手の口を開かせるにはそれなりのお膳立てが必要なのです。


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