八王子税理士事務所

適格合併(同族会社間) 無対価の一例

適格合併(同族会社間) 無対価の一例

無対価での適格合併も検討だ!

親族で複数の会社を持っていて、その中に多額の欠損金や含み損(欠損金等)を抱えている会社があれば、この欠損金等を適格合併等により親族の他の黒字会社に引継できないものか、と考えたくなります。

例えば、個人「甲さん」及び「その親族」は、X 社の株式と Y 社の株式をそれぞれ100%保有、X 社は優良会社、Y 社は債務超過で多額の欠損金を抱えている、甲さん及びその親族が保有している X 社及び Y 社の株式の保有割合は異なっている、保有期間5 年超、この前提で考えてみましょう。

法人相互の完全支配関係

X 社の株主も Y 社の株主も「甲さん及びその親族」で、「同一の者」に該当することから、X 社も Y 社も「一の者」による当事者間の完全支配関係が成立、法人相互の完全支配関係があることになります。

この法人相互の完全支配関係が成立すれば、所定の要件(合併法人株式等のみの交付等)が満たされれば、X 社を合併法人、Y社を被合併法人とする適格合併は可能です。

また、Y 社の欠損金を無制限に引継ぐためには、同一の者による支配関係 5 年の継続要件も満たす必要があります。

みなし贈与課税

ただ、このケースでは、Y 社は債務超過会社ですので、Y 社株式の評価額はゼロです。したがって、Y 社の株主である甲さん及びその親族に X 社株式を交付することは、それぞれの会社の保有割合が異なるので、甲さん及び甲さんの親族間にみなし贈与課税が生じる可能性があります。

では、この株式交付を避けるために、無対価による合併ができるか、ですが、無対価による適格合併の要件は、この「一の者」は、親族を含まない、個人一人だけであり、このケースでいえば甲さんが単独で X 社及び Y 社を 100%完全支配していることが前提です。

したがって、無対価での適格合併はできないということになります。

法人を頂点する完全支配関係 であれば、X 社が Y 社の株主である甲さん及びその親族から Y 社株式の全株式購入し、Y 社を X 社の 100%子会社にします。

Y株式の評価はゼロですから、1 円で購入しても何も問題はないでしょう。そして、100%子会社になった Y 社を無対価で吸収合併をする。

一の者は法人ですので無対価における適格要件を満たしていますし、他方、完全支配関係 5 年の継続は満たしていますので、Y 社の欠損金が引継げるのではないでしょうか。

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