バフェット&ロムニー
バフェット&ロムニー
吾輩のような金持ちにはもっと課税してもいいのに
算数の復習
①A×15%+B×35%=$6,938,744
②(A+B)×17.4%=$6,938,744
この①②の連立方程式を解くと、
A=$35,092,498(88%)
B=$ 4,785,340(12%)、となります。
③A×15%+B×35% =$21,660,000×15.4%
④A+B=$21,660,000
この③④の連立方程式を解くと、
A=$21,226,800(98%)
B=$ 433,200( 2%)、となります。
何の応用問題だったか
①②はアメリカの著名な投資家バフェット氏の連邦所得税は、693 万 8744 ドルで、実効税率が 17.4%なので、氏の投資家所得とその他の所得の額と割合を求めよ、です。
③④は、共和党大統領候補として名乗り上げているロムニー氏の、2010 年の夫妻による収入が 2166 万ドルで、実効税率は15.4%であるので、夫妻の投資家所得とその他の所得の額と割合を求めよ、です。
アメリカでは、配当や譲渡益などの投資
家所得は税率 15%で、共に投資家所得以外がアメリカ連邦所得税の最高税率の 35%に該当するものとし、他に控除すべきものがないとして計算すると、という前提での設問です。
欧米で盛んな富裕税論議
この実例のように、巨額の金融所得を得ている人の税負担が少なすぎることからか、欧米の富裕層が自ら富裕層課税強化の発言をしており、スペインは保有資産に課税する富裕税、フランス・イタリア・ポルトガルは富裕層への所得税付加税を課すことにしています。
アメリカでも、オバマ大統領が、バフェットルールを適用して年収 100万ドル超の富裕層に増税する、と一般教書演説を行いました。
日本の場合で考えると
日本の場合の投資家所得は上場株式については7%の分離課税税率で、所得税の総合課税の最高税率は 40%(外、震災付加税2.1%)なので、税負担の所得逆進性はアメリカよりも激しい、と言えます。
いま、増税論議が盛んになっており、高所得者への課税強化が推し進められていますが、税構造が生み出している歪みこそ先に解消すべきです。二元的所得税論が一世を風靡していましたが、そろそろ転換点に来ているのかもしれません。